9月21日(月・祝)泉大津市・テクスピア大阪において『DEEP☆KICK 46』と同日開催で第2部『DEEP☆KICK 47』が開催された。
(文・布施鋼治/写真・石本文子)
メインイベント HΛL VS 寺山遼冴
当初はDEEP☆KICK-53㎏級1位のHΛL(OISHIGYM)と同級2位の寺山遼冴(TEPPEN GYM)の間で王座決定トーナメント決勝が争われる予定だった。しかし、計量でHΛLが最終的に200グラムオーバーで計量失格。そのため、寺山が勝った時のみ新チャンピオンとして認められる認定戦として開催されることになった。
試合はHΛLの減点1、グローブハンディありからスタート。前回のDEEP☆KICKでは痛烈な顔面前蹴りでKO勝ちを収めている寺山は今回も気迫のこもったワンツーからの右ローでスタミナに不安の残るHΛLを削っていく。
HΛLがハイキックを狙うと、ブロックしてからのローキックやハイキックで応戦する。試合の流れを変えようと、HΛLがカウンターのヒザ蹴りを打ちこもうとすると、蹴り足をキャッチして反撃を試みる。
2Rになると、試合が動いた。サウスポーの寺山は左でHΛLをグラつかせ、鼻血を出させる。反則となるヒジ打ちをもらっても、寺山は冷静にクレームを入れて対処し、試合の流れは変えさせない。
そして3R、寺山は左からの連打でHΛLから先制のダウンを奪う。その後、セコンドに付いたTEAM TEPPENの那須川弘幸代表からの「雑になるな」という指示通りに動き、試合終了のゴングを聞いた。
スコアは減点分も含め、30-26(2者)、30-25で寺山。姉・寺山日葵はすでに初代RISE QUEENミニフライ級王者として君臨しているので、兄弟揃って王者になったことになる。試合後、寺山は「減点がなくても勝てた試合だった。でも、自分は誰からも狙われやすい立場にいる。これからもっと強くなって誰からも認められないチャンピオンになりたい」と力強くアピールした。
すると、新空手勢の応援で来場していた有井渚海がリングイン。11月1日のRISE大阪大会で寺山 VS 有井の一戦が行われることが発表された。両者は昨年12月に初対決。この時は引き分けに終わっているだけに、今回は決着戦となる。
▼メインイベント
DEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R
×HΛL (OISHIGYM)
〇寺山遼冴 (TEPPEN GYM)
判定0-3(25-30、26-30、26-30)
※寺山遼冴が-53kg第3代王者に
セミファイナル 佐藤亮 VS 駿
セミファイナルでは佐藤亮(NJKF健心塾)と駿(FASCINATE FIGHT TEAM)のDEEP☆KICK-60㎏挑戦者決定戦が組まれた。両者は以前に一度対決し、佐藤が勝利を収めている。1R、攻勢に出たのは佐藤の方だった。右フックを何度かヒットさせ、場内をどよめかせる。続く2Rになると、駿もボディフックを突破口に右クロスで佐藤を脅かす。
2Rが終わった時点でのオープンスコアは3者とも20-19で佐藤。あとがない駿は右のカウンターで逆襲に転じる。そしてタイミングのいい右フックで佐藤をキャンパスに這わせた。一度はスリップダウンと見なされかけたが、レフェリーはすぐジャッジに確認し、ダウンと認定した。
その後佐藤は左ミドルや左ボディフックで大逆転を狙うが、時すでに遅し。駿が逆転の判定勝ちで12月13日のDEEP☆KICK大阪大会で谷岡祐樹が保持する-60㎏級王座に挑戦することが決定した。試合後、駿は谷岡にも以前敗れていることを明かし、佐藤戦に続いてのリベンジを誓っていた。
▼セミファイナル
DEEP☆KICK-60kg挑戦者決定戦 3分3R 延長1R
×佐藤亮 (NJKF健心塾)
〇駿 (FASCINATE FIGHT TEAM)
判定0-3(28-29、28-29、28-29)
※駿が-60kg時期挑戦者に決定
第6試合 拓磨 VS 大石健作
“遅れてきたルーキー”が地元大阪でインパクト大のKO勝ち。その存在を大きくアピールした。大石健作(TEPPEN GYM)は日本拳法出身の29歳。サラリーマン時代に見学に訪れたTEAM TEPPENでキックの練習を始め、プロになったという異色の経歴の持ち主だ。
デビュー直後は2連敗を喫したが、その後2連続KO勝ち。この日は拓磨(teamBonds)を相手に1Rから面白いように左ハイや左ミドルを当てていく。2Rになっても、大石の勢いは止まらない。タフな拓磨に左ストレートから右をフォローして先制のダウンを奪う。最後は左ハイで相手の足を止めたところでレフェリーが試合を止め、2R1分6秒、TKO勝ちを収めた。試合後、太陽の塔をイメージした両手を大きく広げたポーズで、友人知人の歓声に応えていた姿が印象的だった。
また、この日昼間開催されたDEEP☆KICK46で-63㎏級王者になった山畑雄磨に対しても、大石は「全然勝てる」とマイクアピール。寺山遼冴に続き、TEPPENからDEEP☆KICKのチャンピオンベルトを狙う。
▼第6試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R
×拓磨 (teamBonds)
◎大石健作 (TEPPEN GYM)
TKO 2R1分6秒 レフェリーストップ
第5試合 村上 真基 VS 郁 弥
2Rが終了した時点で、オープンスコアでは2-0で村上真基(ROYAL KINGS)がリードしていた。1R終了間際には後ろ回し蹴りを郁弥(山口道場)の顔面に決めるなど、試合を優勢に進めていたからだ。
2Rになってからも村上は郁弥の動きをよく見ながら、前蹴りやミドルキックを随所で当てていく。勝負の女神は十中八九、村上に微笑むかと思われたが、3R郁弥はショートの左フックで逆転のダウンを奪う。フラフラになりながらも立ち上がってきた村上に、とどめとばかりに郁弥はパンチの連打を決めて劇的なKO勝ちを収めた。これで、2試合連続KO勝ち。躍進が続く山口道場の先輩たちのあとに続くか。
▼第5試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R
×村上 真基 (ROYAL KINGS)
◎郁 弥 (山口道場)
TKO 3R1分6秒 レフェリーストップ
第4試合 庄司啓馬 VS 有馬伶弐
庄司哲馬(TEPPEN GYM) VS 有馬伶弐(team Vertigo)の「馬」対決は有馬に凱歌があがった。サウスポーの有馬はアウトボクシングをしながら、左ミドルで勝機をうかがう。対する庄司はワンツーからの右ミドルや右のカウンターで応戦する。
しかし、その後庄司は失速。対照的に有馬はラウンドを重ねるごとに手数を増やし、2-0で庄司を振り切った。
▼第4試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R
×庄司啓馬 (TEPPEN GYM)
〇有馬伶弐 (team Vertigo)
判定0-2(29-29、29-30、29-30)
第3試合 有木拓未 VS 水本 伸
有木拓未(Menace Fight Club)と水本伸(NJKF矢場町BASE)の-59㎏契約の一戦は3-0で水本が勝利を収めた。水本は1Rから右のミドルやストレートで試合の流れをたぐり寄せる。2Rになると、右フックをクリーンヒットさせ、勝負の流れを印象づける。粗削りな印象は否めなかったが、終始攻めようとした姿勢をジャッジは評価した。
▼第3試合 DEEP☆KICK-59kg契約 3分3R
×有木拓未 (Menace Fight Club)
〇水本 伸 (NJKF矢場町BASE)
判定0-3(27-30、27-30、28-30)
第2試合 仁 VS 堀本晴天
試合開始早々、仁(Continue)は切れ味鋭い左のフックやボディフックで観客席をどよめかせる。しかし相手の動きをよく見ていた堀本晴天(魁塾 中川道場)は左フックでダウンを奪い形成逆転。なんとか立ち上がってきた仁に対して堀本は狙い済ましたかのような飛びヒザ蹴りを一閃。これがものの見事に決まり、インパクト大のKO勝ちを収めた。
▼第2試合 DEEP☆KICK-57kg契約 3分3R
×仁 (Continue)
◎堀本晴天 (魁塾 中川道場)
TKO 1R1分18秒 レフェリーストップ
第1試合 有木拓未 VS 水本 伸
唯一の重量級対決としてマッチメークされた宮城政之(teamBonds) VS ビッグベアーキャット心(魁塾 京都)というデビュー戦同士の一騎討ちは期待に違わぬ打ち合いとなり、宮城が1R1分38秒KO勝ちを収めた。大相撲出身というビッグベアーはキャラが確立した存在だったが、パンチの6連打を浴び先制のダウンを許してしまう。なんとか立ち上がってきたものの、再び宮城の連打に捕まると、レフェリーに試合を止められた。
▼第1試合 DEEP☆KICK-100kg契約 3分3R
◎宮城政之 (teamBonds)
×ビッグベアーキャット心 (魁塾 京都)
TKO 1R1分38秒 レフェリーストップ
<オープニングイベント>
~NEXT☆LEVEL ジュニア日本統一王座決定戦~
OP第4試合 山崎天輔 VS 塚本望夢
DEEP☆KICK47のアンダーカードで組まれたNEXT LEVELで最も大きなインパクトを残したのは山崎天輔(真門ジム)を判定で撃破し-47㎏級の統一王者となった塚本望夢(teamBonds)だろう。山崎の動きをよく見ながらタイミングよく右ストレートを決めスリップダウンを奪ったり、相手の蹴りをスウェーでよけたり、めりはりのついた攻防が目立っていた。もうすぐ15歳。兵庫県から羽ばたくホープとなるか。
▼OP第4試合 -47kg契約 1分30秒3R
×山崎天輔 (真門ジム)
〇塚本望夢 (teamBonds)
判定0-3(28-30、28-30、27-30)
※塚本望夢がジュニア日本統一-45kg第6代王者に
OP第3試合 山田貴紀 VS 大村絆人
山田貴紀(山口道場) VS 大村絆人(極真会館 水口派 実践総合空手魂心館)は2Rになって動いた。山田は強いプレッシャーからパンチの4連打を打ち込み、さらにコーナーで大村を窮地に追い込む。組んでのヒザ蹴りで先制のダウンを奪う。3Rにも山田はヒザ蹴りで大村をキャンバスに這わせ、大差の判定勝ちを収めた。
▼OP第3試合 -37kg契約 1分30秒3R
〇山田貴紀 (山口道場)
×大村絆人 (極真会館 水口派 実践総合空手魂心館)
判定3-0(30-25、30-25、30-25)
※山田貴紀がジュニア日本統一-35kg第6代王者に
OP第2試合 藤尾陸斗 VS 高山翔星
藤尾陸斗(ROYAL KINGS) VS 高山翔星(武魂會)は組み合いの攻防の末、藤尾が勝利。NEXT LEVEL統一-32㎏級王者になった。敗れた高山は悔し泣き。
▼OP第2試合 -32kg契約 1分30秒3R
〇藤尾陸斗 (ROYAL KINGS)
×高山翔星 (武魂會)
判定3-0(30-27、30-27、30-27)
※藤尾陸斗がジュニア日本統一-30kg第6代王者に
OP第1試合 大西悠和 VS 藤本穂
男子 VS 女子となったNEXT LEVEL-27㎏級統一王者決定戦。距離をとっての左クロス、あるいは組み付いてのヒザ蹴りで大西悠和(月心会 チーム侍)を攻略した藤本穂(武魂會)が判定勝ち。統一王者となった。
▼OP第1試合 -27kg契約 1分30秒3R
×大西悠和 (月心会 チーム侍)
〇藤本穂 (武魂會)
判定1-2(28-30、29-28、28-30)
※藤本穂がジュニア日本統一-25kg第6代王者に
◎DEEP☆KICK 46
2020年 9月21日(月・祝)
泉大津市・テクスピア大阪
OPEN 11:30 / START 12:00
◎DEEP☆KICK 47
同日開催
OPEN 16:00 / START 16:30
〈会場アクセス〉
〒595-0025 大阪府泉大津市旭町22−45
電話: 0725-31-4402
〈チケット〉
VIP席 ¥15,000 S席 ¥8,000 A席 ¥6,000
※当日券は¥1,000UP
※一部、二部チケット別料金(全席入替制)
〈チケット販売〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
または出場選手および所属ジム
〈問い合わせ〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
https://www.deep-kick.com
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