2月9日(日)大阪市・東成区民センターにおいて『DEEP☆KICK 42』が開催された。
今大会はトリプルメインにDEEP☆KICK -55kg、-60kg、-70kgの3階級タイトル戦、そしてダブルセミファイナルでは女子キック ミネルヴァのタイトルマッチが2試合組まれるなど豪華なラインナップとなった。
写真:石本文子 (235photo)
トリプルメインイベント3 内藤VS拳剛
大会の大トリは5大タイトルマッチの最終戦、昨年の1月に同級王座決定戦を争った内藤凌太 (BELLWOOD FIGHT TEAM)と拳剛 (誠剛館)の二人が、今回は王者と挑戦者という形でタイトルマッチを行った。
今年、ストライキングジムAresからBELLWOOD FIGHT TEAMにジムを移籍して心機一転の王者 内藤は、昨年末にシュートボクシング大会で竹野元稀(風吹ジム)にKO負けを喫し今回が復帰戦。対する挑戦者の拳剛(誠剛館)は、挑戦者決定トーナメントの2試合を磐石の強さで勝ち上がり内藤へのリベンジマッチとして王座を狙う。
1R 体格に勝る拳剛が遠い距離からのミドルキックを放つ。内藤も懐に入って右ストレートを返す。互いを知り尽くした二人は初回ラウンドから距離の潰しあいで一進一退の攻防が続く。
2R 拳剛がリーチ差をいかして離れた距離からストレートを当てると内藤がグラつく場面も。それでも内藤は前に出てローキックから右ストレートで反撃する。2Rが終わった時点での判定は三者ともに20対19と拳剛がリード。
3R 内藤が雄叫びをあげてコーナーから出てくると、拳剛は左拳を前に伸ばし懐を深く構える。内藤のミドルキックで中に入れない拳剛、内藤は大きな右フックで一発逆転を狙うが拳剛はしっかりブロック。最後まで手を緩めず攻撃し続ける内藤だが拳剛は反撃を許さず膝蹴りからローキックで応戦、両コーナーの大応援団の声援の中、試合終了のゴングが鳴らされた。
結果は、判定2対0で拳剛が内藤を下しDEEP☆KICK-55kg 第5代王座に輝いた。
マイクを取った拳剛は「前回のDEEP☆KICKの王座決定トーナメントから2年、王座決定戦から1年と、このベルトを巻くのに長い時間がかかりましたが夢が叶いました。これからはこのベルトの価値を上げていく戦いをします」と力強く語った。
▼トリプルメインイベント3 DEEP☆KICK-55kgタイトルマッチ 3分3R
×内藤凌太 (BELLWOOD FIGHT TEAM/王者)
○拳剛 (誠剛館/1位・挑戦者)
判定0-2(29-30、29-29、29-30)
拳剛が-55kg第5代王者に
トリプルメインイベント2 籔中VS慎太郎
-70kg暫定王者の藪中が暫定のふた文字を外すためにタイトルマッチを熱望、挑戦者決定戦で抜群の強さを見せた慎太郎とのタイトルマッチが実現した。
1R 慎太郎が上下に打ち分ける。藪中も膝蹴りを返していく。
2R お互いパンチ主体で五分の状況が続くが、中盤過ぎから慎太郎が前に出だして藪中の顔面にパンチを当てだし藪中はやや下がり気味になる。途中経過はジャッジ2人が20対19で慎太郎を支持、ジャッジ1人が19対19。
3R このまま逃げ切ればタイトル奪取の慎太郎だが、ベルトを意識してか手数が極端に減ってきた慎太郎。それとは正反対に藪中は得意のパンチ連打で牙を剥く。
コーナーに詰められた慎太郎はクリンチで逃げるも藪中がプッシュしてストレートをヒット、仰け反る慎太郎に追い討ちのローキックを当てる。慎太郎も反撃のフックを放つが、空を切り藪中のカウンターをもらう。
3Rに盛り返した藪中がドローまでポイントを取り戻し防衛に成功、これで暫定が消え正規王座に就いた。藪中は情けない試合をしてしまって王者失格ですと渋い表情でリングを降りた。
▼トリプルメインイベント2 DEEP☆KICK-70kgタイトルマッチ 3分3R
△籔中謙佑 (KUMA GYM/暫定王者)
△慎太郎 (teamBonds/1位・挑戦者)
判定1-0(29-28、29-29、29-29)
籔中がドロー防衛に成功、暫定から正規王者に
トリプルメインイベント1 谷岡VS篤椰
当初は-60kg前王者 中村寛(BKジム)への挑戦権をかけて、谷岡祐樹(パラエストラ加古川)と篤椰(teamBomds)が挑戦者決定戦として戦うはずであったが、中村のベルト返上に伴いこの試合が王座決定戦に変更された。
1R 攻撃の口火を切ったのは篤椰、ローキックから早いパンチで谷岡を下がらせる。谷岡も鋭い右ストレートで応戦する。谷岡のハイキックが篤椰に頭上をかすめる。篤椰は顎を引いてアッパーからの右ストレートを放ち、緊張感のある一進一退の攻防が続く。
2R このラウンドも先に仕掛けたのは篤椰。パンチで襲いかかる篤椰にタイミングを合わせた谷岡が前に出てワンツースリーと顔面に打ち込み篤椰はダウンを奪われる。
その後も谷岡の容赦ないパンチ攻撃に篤椰は防戦一方、谷岡のパンチラッシュに篤椰は崩れ落ち、衝撃のTKO勝利で谷岡が-60kg 第7代王者に返り咲いた。
再びベルトを巻いた谷岡はマイクを持ち、DEEP☆KICK王者としてRISEへの参戦を熱望した。
▼トリプルメインイベント1 DEEP☆KICK-60kg王座決定戦 3分3R 延長1R
◎谷岡祐樹 (パラエストラ加古川/1位)
×篤椰 (team Bonds/2位)
TKO 2R 2分15秒 レフェリーストップ
谷岡が-60kg第7代王者に
ダブルセミファイナル2 百花VS MARI
浪速のいてまえクイーンことミネルヴァアトム級王者の百花(魁塾)が、ランキング1位のMARI(ナックルズGYM)を挑戦者にむかえ2度目の防衛戦に挑む。百花とMARIは過去に2度対戦しておりMARIが1勝1分と勝ち越している。百花にとっては最強の挑戦者と言える。
1R 百花は足を使い早いパンチで仕掛ける。リーチに勝るMARIはロングジャブで応戦。百花の回り込んでのローキックが当たりだす。MARIはパンチで応戦する。
2R 1R同様に百花はフットワークが軽くパンチを放つ。MARIの顔が赤く腫れだす。MARIもフリッカースタイルでジャブを出すが百花はかわしてローキックに繋げる。百花の手数がやや多い印象。2Rを終わっての途中採点はジャッジ三者とも20対19で百花を支持。
3R ダウンがなければこのままドロー防衛で逃げ切ることも可能な百花だが、気持ちを前面に押し出してさらに前に出る。後がないMARIもエンジン全開でミドルキックからのストレートを打ち込む。MARIが百花のミドルキックをキャッチして転がす場面もあるがポイントにはならない。女同士の意地のぶつかり合いは試合終了のゴングが鳴るまで続き、結果は判定3対0で百花が勝利、2度目の防衛成功に加えてリベンジ成功を遂げた。
手元に戻ったベルトを腰に巻き、号泣しながらマイクを持った百花だが、何を喋っているのかほとんど分からないほどの涙声に客席から笑いが起こる。何とか落ち着きを取り戻した百花は、観客に向かいに感謝の意と、さらなる飛躍を約束した。
▼ダブルセミファイナル2 ミネルヴァ アトム級タイトルマッチ 3分3R
○百花 (魁塾/王者)
×MARI (ナックルズGYM/1位・挑戦者)
判定3-0(30-29、30-29、30-28)
百花が2度目の防衛に成功
ダブルセミファイナル1 伊織VS聖愛
5大タイトルマッチのスタートは女子ミネルヴァスーパーフライ級タイトルマッチで幕を開けた。王者伊織は韓国で行われたQUEEN TOURNAMENT CHAMPIONSHIPでアジアの強豪らを相手に優勝を果たし、万全の状態で防衛戦に望んだ。対する挑戦者の聖愛は、現在5連勝中で波に乗ってるスーパー女子高生だ。
1R 聖愛のローキックで静かに戦いは始まった。伊織は前蹴りとミドルキックを返していく。前進してくる伊織に対し聖愛はサイドステップでかわしながらローキックで応戦すると伊織の左足が赤く腫れだした。
2R 聖愛の伸びるジャブが伊織の顔面を捕らえだす。伊織も大きなフックを狙うが聖愛はかわして左ミドルキックをヒットさせる。2Rまでの採点は三者とも20対19で聖愛を支持。
3R リードを許した伊織は前進を更に強めて強烈なストレートを放つ。聖愛はボディストレートとローキックで反撃。終始攻撃をもらわずにパンチとローキックで組み立てた聖愛が3対0の判定でミネルヴァスーパーフライ級王座に輝いた。
初の戴冠を果たした聖愛はマイクで「高校生の間にベルトを巻く事が目標だったんですが、ギリギリ叶えることができました」と目標が達成した喜びに涙をうかべた。
▼ダブルセミファイナル1 ミネルヴァ スーパーフライ級タイトルマッチ 3分3R
×伊織 (T-KIX/王者)
○聖愛 (魁塾/1位・挑戦者)
判定0-3(三者とも28-30)
聖愛が新王者に
[休憩前]
休憩前、暗転した会場に矢沢永吉の「止まらないHa〜Ha」が突如流れると観客がざわめく。リングアナのコールに呼ばれて那須川天心がリングに登場すると会場から大歓声が上がった。
那須川が、4月12日(日)エディオンアリーナ大阪で行われる『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2020 1st Round』に自身が出場することを発表(対戦相手は未定)すると、続いてDEEP☆KICK-60kg前王者の中村寛 (BKジム)がリングに登場し、こぶしのケガから復帰する日が近いことをファンに告げた。
その後、那須川天心からファンサービスとしてカラーボールを客席に投げ、キャッチしたファンらに天心からグッズをプレゼントした。今回も那須川天心の登場と粋なファンサービスに客席は大熱狂となった。
▼第5試合 53.5kg契約 3分3R
○一樹 (teamNAOKI)
×ハオロンヤバチョーベース(NJKF YABA-CHO BACE)
判定3-0(30-29、30-28、30-27)
▼第4試合 DEEP☆KICK-57.5kg 3分3R
○村上真基 (ROYAL KINGS)
×FUJIMON♡ (亀岡キックボクシングジム)
判定3-0(三者とも30-26)
▼第3試合 DEEP☆KICK-60kg 3分3R
○若井秀幸 (究道會館 明石支部)
×勇哉 (WARRIOR OSAKA)
判定2-0(29-28、28-27、28-28)
※勇哉が1.1kgオーバーで減点2点とグローブハンデ
▼第2試合 DEEP☆KICK67kg契約 3分3R
◎進撃の祐基 (亀岡キックボクシングジム)
×龍威地 (NJKF ARENA)
TKO 2R 2分38秒 レフェリーストップ
▼第1試合 51kg契約 3分3R
×郁依斗 (NJKF健心塾)
○大夢 (WIZARD)
判定0-3(28-30、28-30、27-30)
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
▼OP第6試合 48kg契約 1分30秒2R
○志水琳乃介 (魁塾中川道場)
×高田昂太郎 (NJKF健心塾階道場)
判定2-0(20-18、20-19、19-19)
▼OP第5試合 40kg契約 1分30秒2R
×田中碧泉 (相補体術)
○山崎海來 (真門teamsol)
判定0-3(18-20、18-20、19-20)
▼OP第4試合 40kg契約 1分2R
×滝 永絆(NJKF拳心會館)
○水野夢斗 (TEPEEN GYM)
判定0-3(18-20、18-20、19-20)
▼OP第3試合 45kg契約 1分30秒2R
○大石舜介(相補体術)
×鎌田晃輔(月心会チーム侍)
判定3-0(20-18、20-18、20-19)
▼OP第2試合 45kg契約 1分30秒2R
○松尾陽太 (七宝会館)
×大田龍弥(NJKF武心會)
判定3-0(20-18、20-18、20-19)
▼OP第1試合 25kg契約 1分2R
○松山日向(真門伊藤道場)
×水野梨音 (TEPEEN GYM)
判定2-0(20-19、20-18、19-19)
DEEP☆KICK 42
2020年 2月9日(日)
大阪市・東成区民センター
OPEN 13:00 / 本戦START 14:00
13:15〜オープニングファイト
〈会場アクセス〉
〒537-0014 大阪府大阪市東成区大今里西3丁目2−17
TEL 06-6972-0717
〈チケット〉
VIP席 ¥15,000 S席 ¥8,000 A席 ¥6,000
立ち見 ¥4,000
※当日券は¥1,000UP
〈チケット販売〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
または出場選手および所属ジム
〈問い合わせ〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
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