7月4日(日)泉大津市・テクスピア大阪において『DEEP☆KICK 53』が開催された。
(写真・花井康成)
メインイベント 岩郷泰成 vs 大樹
4月11日に行なわれた準決勝で勝利を収めた岩郷泰成(TFT)と大樹(HAWK GYM)がDEEP☆KICK-60㎏王座決定トーナメント決勝で相対した。セコンドに思い切り頬を張られ気合を入れた岩郷は1Rからエンジン全開。右のミドルやストレート、さらにワンツーやバックハンドと矢継ぎ早に攻め続け、大樹に付け入るスキを与えない。
2R、両者とも熱くなり、必要以上のホールドやブレイクがかかっても攻撃を辞めない。離れたら、お互い譲ることなく、果敢に打ち合う。3R、尻上がりに調子を上げた大樹はパンチとローを中心に試合の主導権を握る。負けじと岩郷もやり返すが、勢いは大樹の方が上。このラウンドの攻勢点がものをいったのか、判定は2-1のスピリット・デシジョンで大樹。石川県で生まれ育ち、現地でキックを続ける男がDEEP☆KICK-60㎏王座のチャンピオンベルトを腰に巻いた。
試合後、大樹は「次はDEEP☆KICKの-57.5㎏の王座を獲りたい。現王者の宮﨑就斗選手には一度勝っています。宮﨑選手、またお願いします」と宣戦布告。2階級制覇を宣言した。
▼メインイベント
DEEP☆KICK-60kg王座決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R
×岩郷泰成(TFT)
○大樹(HAWK GYM)
判定1-2(29-30、30-29、28-29)
※大樹が-60kg第8代王者に
セミファイナル 翔磨 vs FUJIMON♡
1R、多田ジムの翔磨 (多田ジム)が試合の主導権を握る。じっくりと見るスタイルをとった京都亀岡キックボクシングジムのFUJIMON♡(京都亀岡キックボクシングジム)に対して、左の攻撃を軸にプレッシャーをかけていく。左ストレートでFUJIMON♡がグラつく場面も。2R、FUJIMON♡はエンターテイナーぶりを発揮。翔磨に「もっと打ってこいよ」とジェスチャーで挑発する場面もあったが、逆に左のカーフキックを効かされてしまう。FUJIMON♡はバックハンドを繰り出すが、反撃の糸口にはならない。
2Rが終わった時点でのオープンスコアは三者とも20-19で翔磨。果たして3R、逆転を狙うFUJIMON♡は右ローで相手を下がらせる。2分30分過ぎには怒濤の4連打。強引に試合の流れをたぐり寄せる。このラウンドは明らかにFUJIMON♡のものだったが、2Rまでのマイナスポイントが響き、判定はドロー。延長戦が観たいセミファイナルだった。
▼セミファイナル DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
△翔磨 (多田ジム)
△FUJIMON♡(京都亀岡キックボクシングジム)
判定0-0(29-29、29-29、29-29)
第5試合 RAI vs 常陸飛雄馬
TARGET SHIBUYAからRISEスーパーフェザー級7位の常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA)がDEEP☆KICKに乗り込んできた。迎え撃つのは888GYMのRAI(888GYM)。日本とフィリピンのミックスで、上半身や腕に彫られたタトゥーも手伝い、独特のムードを醸し出しているキックボクサーだ。
1R、常陸は右ロー、左ミドル、ワンツーで軽快に飛ばしていく。試合のリズムはこの男が握ったと思った刹那、RAIはカウンターの右ストレートで先制のダウンを奪う。ダウンカウントが続く中、 RAIはセコンドに「ゆっくり?」と確認する余裕もあった。1R終了間際、RAIは痛烈な右フックもヒットさせている。あとがない常陸は2R、左ボディフックを突破口に、RAIに襲いかかる。そしてヒザ蹴りも交えた連打でRAIの動きを止め、痛烈な右でダウンを奪い返した。なんとか立ち上がってきたRAIに常陸は猛然と襲いかかり、再び連打。最後RAIは精も根も尽きたようにキャンバスに倒れ込んだ。
試合後、常陸は「今日のメインで-60㎏級の王者が決まる。自分は勝った方とやりたい。RISEで迎え撃ってもいい」と岩郷泰成と大樹の勝者との対決をアピールした。
一方、敗れたRAIも今大会のベストバウトと断言できる攻防を魅せてくれただけに再起に期待したい。
▼第5試合 DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R
×RAI(888GYM)
◎常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA)
TKO 2R2分37秒 レフェリーストップ
第4試合 翔太郎 vs 侑毅
3Kの侑毅(キックボクシングジム3K)が復帰。猛志會の翔太郎(猛志会)と対戦した。侑穀は美しいフォームからミドルやハイを繰り出していく。しかし、2R終了間際、翔太郎のワンツーを被弾。ダウンこそとられなかったが、片ヒザをついてしまう。3R頭から中に入った侑穀はヒザ蹴り。翔太郎は倒れ込んだが、これはバッティングによるものと見なされ、ダウンは取り消される。終わってみれば、侑穀の1-0でドローに。
▼第4試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
△翔太郎(猛志会)
△侑毅(キックボクシングジム3K)
判定0-1(29-29、29-30、29-29)
第3試合 有馬伶弐 vs 櫻井心
BATTLEKING遼平(TeamFIST)が欠場。代わってTeamFISTで同門の櫻井心(TeamFIST)が有馬伶弐(team Vertigo)と対戦した。2R終了間際、有馬はきれいにワンツーを決め、先制のダウンを奪う。もうあとがない櫻井は3Rになると猛スパート。右ボディストレートを中心に反撃を試みる。2分過ぎ、右フックで相手をグラつかせる場面もあったが、有馬は守りきって試合終了のゴング。3-0で有馬が逃げ切った。
▼第3試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R
○有馬伶弐(team Vertigo)
×櫻井心(TeamFIST)
判定3-0(30-28、29-28、30-28)
休憩前マイクパフォーマンス
休憩前には7月18日(日)エディオンアリーナ大阪にて開催の「Cygames presents RISE WORLS SERIES 2021 OSAKA」に出場のファイター、
山口裕人(山口道場)選手、
京谷祐希(山口道場)選手、
花田麻衣(GROUND CORE)選手、
麻太郎(NJKF健心塾)選手、
勇馬(山口道場)選手に加え、
RISEクリエーション株式会社 代表取締役 伊藤隆代表がリング場に登場した。
マイクでは伊藤代表より次回RISE大阪大会の見どころ、そして各選手たちの意気込みが語られた。DEEP☆KICKファイター達のRISEでの熱き戦いに期待したい。
第2試合 紀之定健真 vs 嶋秀太
DEEP☆KICKの王者を狙う紀之定健真(BLACK☆Jr)。今年1月の『DEEP☆KICK 50』では湧也(BOSS GYM)からダウンを奪った末に勝利を収めている。嶋秀太 (NJKF田頭道場)を相手にしても、左のテンカオを武器に攻勢に出る。2R、勝負の流れは十中八九紀之定の方に傾いたと思った矢先に嶋は右一発で逆転のダウンを奪う。3R、守りに徹する嶋に対して紀之定は攻撃の手を休めない。それでもダウを奪ったポイントがモノをいい、嶋が3-0の判定勝ちを収めた。
▼第2試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R
×紀之定健真(BLACK☆Jr)
○嶋秀太 (NJKF田頭道場)
判定0-3(28-29、28-30、28-29)
第1試合 空龍 vs 瀧
空龍(空修会館)と瀧(魁塾)の間には実に11センチの身長差があったが、空龍は身長差を感じさせることなく、1Rから瀧の懐に入り、左ストレートやテンカオを当てていく。2Rにはパンチの連打からのプッシュと左ストレートで2度のダウンを奪う。なんとか立ち上がってきた瀧だったが、すでに戦意喪失気味。もう一度連打でまとめられキャンバスにへたり込むと、レフェリーが試合を止めた。空龍はまだ16歳。本部席で観戦していたRISEの伊藤隆代表も「いい選手ですね」と目を細めていた。
▼第1試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R
◎空龍(空修会館)
×瀧(魁塾)
TKO 2R2分27秒 レフェリーストップ
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
TEAM TEPPENJr. VS NEXT☆LEVEL関西Jr.対抗試合
対抗戦はTEAM TEPPENJr.の3戦全勝に終わった。
大将戦 和田祐翔 vs 那須川龍心
大将戦は和田祐翔(一心会)と那須川龍心(TEPPEN GYM)の14歳vs15歳対決。那須川のセコンドには実兄・天心がつく。1Rは和田が右のフックやローで攻勢に出たが、2R以降龍心は尻上がりにペースを掴み、3Rは完全に手数で和田を上回る展開に。結局3-0で龍心が勝利。
▼OP第3試合
NEXT☆LEVEL提供試合 TEAM TEPPENJr. VS NEXT☆LEVEL関西Jr.対抗試合 大将戦 -50kg契約 1分3R
×和田祐翔(一心会)
○那須川龍心(TEPPEN GYM)
判定0-3(28-30、28-30、28-30)
中堅戦 若林弥由 vs 西原朱花
中堅戦は若林弥由(月心会チーム侍)vs西原朱花(TEPPEN GYM)の一騎討ち。2R、かつて極真の世界王者だった西原はタイミングのいいテンカオで試合の主導権を握る。3R、若林は右フックで反撃に出るが、西原はカウンターのヒザ蹴りで迎撃。3-0で勝利を収めた。西原は今秋にもプロデビューが予定されている。
▼OP第2試合
NEXT☆LEVEL提供試合 TEAM TEPPENJr. VS NEXT☆LEVEL関西Jr.対抗試合 中堅戦 -45kg契約 1分3R
×若林弥由(月心会チーム侍)
○西原朱花(TEPPEN GYM)
判定0-2(29-30、29-29、28-30)
先鋒戦 清崎響葵 vs 水野梨音
先鋒は清崎響葵(MONSTERJAPAN)と水野梨音(TEPPEN GYM)。1Rから激しい打ち合いを見せる両者。最後はヒザ蹴りの精度が若干上回った水野が2-1で辛勝した。僅差で惜敗した清崎は号泣。
▼OP第1試合
NEXT☆LEVEL提供試合 TEAM TEPPENJr. VS NEXT☆LEVEL関西Jr.対抗試合 先鋒戦 -30kg契約 1分3R
×清崎響葵(MONSTERJAPAN)
○水野梨音(TEPPEN GYM)
判定1-2(28-30、30-28、29-30)
◎DEEP☆KICK 53
2021年7月4日(日)
泉大津市・テクスピア大阪
OPEN 11:30 / START 12:00
◎DEEP☆KICK 54
同日開催
OPEN 15:30 / START 16:00
〈会場アクセス〉
〒595-0025 大阪府泉大津市旭町22−45
電話: 0725-31-4402
〈チケット〉
VIP席 ¥15,000 S席 ¥8,000 A席 ¥6,000
※当日券は¥1,000UP
※一部、二部チケット別料金(全席入替制)
〈チケット販売〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
または出場選手および所属ジム
〈問い合わせ〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
https://www.deep-kick.com
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