DEEP☆KICKの2021年度最終戦となるDEEP☆KICK57と58は11月28日(日)・大阪府泉大津市テクスピア大阪で開催された。裏では神戸でRIZINTRIGGERが開催されたが、昼間の部も夜の部も超満員。コンスタントに定期戦を打つ西日本のキックの雄は安定した存在感を見せつけた。
2022年度第1戦は1月30日(日)に豊中 176BOXで「DEEP☆KICK ZERO」を開催。続いて3月13日(日)にはテクスピア大阪で「DEEP☆KICK59」を開催する予定だ。
(文・布施鋼治/写真・石本文子)
メインイベント 中澤友 VS 木村Cerberus颯太
“サイレントスナイパー”憂也(魁塾)が長らく保持していたDEEP☆KICK-65kg王座を返上したため、DEEP☆KICK56から同級の王座決定トーナメントがスタート。準決勝を勝ち上がった中澤友(魁塾/ビンチェレあべの)と木村Cerberus颯太(NJKF心将塾)が対戦した。
中澤はテコンドー仕込みのサイドキックで距離を制することが得意な30歳。今回初戴冠して来年はRISE出場を意気込む。
対する木村は「ウルトラマンに憧れ、戦いごっこの延長でキックを始めた」という個性派。ここ数年キックから離れた時期もあったが、同門の山畑雄摩の活躍に刺激され復帰を決意したという。「早く山畑さんに追いついて追い抜きたい」(木村)
試合は木村が右ストレートでダウンを奪えば、中澤も右フックでダウンを奪い返すという1Rから激しい展開に。
しかし2R以降、木村は地力の差をじわじわと見せつけ、試合の流れをたぐり寄せる。対照的に中澤は時間が経つにつれ、掴みで警告を受けるなど試合の作りが粗くなっていった。3R、木村は右で中澤の上半身を大きく揺らし、勝負を決定づけた。判定は3-0で木村。地獄からの使者──ケロベロスをリングネームとする木村はヒールキャラで世に出たいと願う。そして試合後は「2022年には、RISEのオープンフィンガーマッチに参戦したい」と宣言した。
「僕はパンチが得意で殴るのが大好き。思い切りオープンフィンガーで殴りたい。まず手始めに山口裕人さんと殴り合いたい」
新チャンピオンの野望はRISEに届くのか。
▼メインイベント
DEEP☆KICK-65kg王座決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R
×中澤友(魁塾/ビンチェレあべの)
○木村Cerberus颯太(NJKF心将塾)
判定0-3(26-28、26-28、26-28)
※木村Cerberus颯太が-65kg第3代王者に
セミファイナル タネ♡ヨシキ VS 塚本望夢
DEEP☆KICK初代-53㎏級王者タネ♡ヨシホの実兄タネ♡ヨシキ(直心会)がDEEP☆KICK初参戦。塚本望夢(teamBonds)とのDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝に臨んだ。最近の塚本は絶好調。今年9月の「DEEP☆KICK 55」にて行われた『STYLE高等学院presents DEEP☆KICK-51kg フレッシュマン1DAYトーナメント』では文句なしの優勝を果たし、このトーナメントへと駒を進めた。
まだ16歳ながら、塚本は幼少期からタイに渡り現地でムエタイ修行に励むなど、そのポテンシャルは計り知れない。
果たして1R、塚本は右でキャリアに勝るヨシキから先制のダウンを奪う。焦ったヨシキは大振りのパンチで逆転を狙うが、空を切るばかり。その後塚本は再び伸びやかな右で2度目のダウンをとり、最後は左でとどめを刺した。1R1分55秒、TKO勝ち。空龍が待つ決勝へと駒を進めた。
両者はアマチュア時代に何度か闘っており、最後の一戦では空龍が勝利を収めているという。来年3月13日開催の決勝戦について水を向けられると、塚本は「しっかりとリベンジして、僕がチャンピオンになる」と宣言した。
▼セミファイナル
DEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
×タネ♡ヨシキ(直心会)
◎塚本望夢(teamBonds)
TKO 1R1分55秒 レフェリーストップ
※塚本望夢が-51kg初代王座決定トーナメント決勝に進出
第4試合 空龍 VS KING TSUBASA
今年9月、初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント準決勝を花岡竜(橋本道場)と争った空龍(空修会館)がDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝に出陣。今年9月のRISE横浜大会に出場したKING TSUBASA(ROYAL KINGS)と対戦した。花岡戦でプロ初黒星を喫した空龍だが、そのショックは微塵も感じさせない。1R終盤には右フックをクリーンヒットさせ、試合の流れを掴む。
その後も空龍は左ハイ、ワンツーからの飛びヒザ蹴りで相手を追い込む。しかし、窮地に追い込まれてからがTSUBASAの真骨頂。2R終盤には打ち合いに応じ、一歩も引かない。3Rになると、右クロスで空龍に襲いかかった。しかし試合の流れを変えるまでに至らず、判定は3-0で空龍となったが、TSUBASAの善戦も評価されるべき内容だった。
試合後、マイクを握った素顔はまだ高2という広島県在住の少年は「(来年3月13日の)決勝までにもっと強くなって、もっとしっかり倒せるようになってくる」と宣言した。
▼第4試合 DEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
○空龍(空修会館)
×KING TSUBASA(ROYAL KINGS)
判定3-0(30-27、30-28、30-27)
※空龍が-51kg初代王座決定トーナメント決勝に進出
第3試合 YU-YA VS HAYATO
魁塾のもうひとりの“ゆうや”ことYU-YA(魁塾)がHAYATO(CRAZY WOLF GYM)と対戦した。先輩がやっていたことをきっかけにキックを始めたというYU-YAだったが、この日は相手が悪すぎた。というのもHAYATOは今年の士道館世界大会でグローブ空手と士道館空手の二部門を制した世界二冠王。構え方からして強そうだったが、果たして1Rコーナーに相手を詰めると、HAYATOはパンチの連打でスタンディングダウンを奪う。ダウンカウントが進む中、ファイティングポーズをしっかりととれないYU-YAは試合を止められた。2022年は“西のHAYTO”に注目だ。
▼第3試合 DEEP☆KICK-59kg契約 3分3R
×YU-YA(魁塾)
◎HAYATO(CRAZY WOLF GYM)
TKO 1R1分39秒 レフェリーストップ
第2試合 小田尋久 VS 藤本ZIGOKU
関西キック70㎏級戦線に期待の新星が現れた。空手歴15年というキャリアを引っさげ、転向してきた小田尋久(じんく=キックボクシングジム3K)だ。1R開始早々、痛烈な右フックで藤本ZIGOKU(NJKF誠輪ジム)から先制のスタンディングダウンを奪う。その後も藤本は左ボディフック、左ストレートとパンチの雨あられ。最後は左右のフックで藤本の息の根を止めた。ZIGOKUが地獄へと突き落とされてしまった。小田の憧れは自分の同階級で一時代を築いた魔裟斗。試合後は「DEEP☆KICKから全国へと羽ばたく」と宣言した。
▼第2試合 DEEP☆KICK-70kg契約 3分3R
◎小田尋久(キックボクシングジム3K)
×藤本ZIGOKU(NJKF誠輪ジム)
TKO 1R1分28秒 レフェリーストップ
第1試合 玲翔 VS 大
1R、玲翔(NJKF Vigor Kickboxing Gym)は左のカウンターのヒザ蹴りで攻勢に出る。2Rになると、試合はさらに大きく動いた。まず玲翔は掴んでからのヒザ蹴りを続けて打ってしまい減点1。しかしながら、その後大(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)もホールディングで減点1をとられてしまう。続く3Rになると、大はさらに組み付きにより2度目の減点を宣告された。この減点が響き、判定は3-0で玲翔。スタミナに自信のある大にとっては悔いの残る一戦となってしまった。
▼第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
○玲翔(NJKF Vigor Kickboxing Gym)
×大(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
判定3-0(29-26、29-25、29-26)
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
オープニングファイト第2試合 電王おじさん vs 平野巧太
YouTuber(https://www.youtube.com/channel/UCBxwQkcbK-WePdCQQ0GdITA/featured)としても活躍する電王おじさん(NJKF心将塾)がオープニングファイトに登場し、平野巧太(魁塾)と拳を交わした。見た目は目立ちたがり屋にしか見えない電王だが、実力の方もなかなか。タイミングのいい右ミドルを軸に左ストレートで攻め込む。対する平野は野球出身でキックのキャリアは2年。同門の優也に憧れる25歳だ。左ハイで電王に応戦するが、如何せん手数が少ない。結局、電王が2-1で平野を振り切った。
早速当日の試合動画(https://www.youtube.com/watch?v=infd5R3kWJo)もアップした電王、格闘家としてもYoutuberとしても充実した1日になっただろう。
▼OP第2試合 -64kg契約 2分2R
○電王おじさん(NJKF心将塾)
×平野巧太(魁塾)
判定2-1(20-19、19-20、20-19)
オープニングファイト第1試合 来斉 vs 坂田風羽
オープニングファイトでは、中高とバレーボールに打ち込み現在は長島☆自演乙☆雄一郎の元でキックに打ち込む来斉(02GYM)とキック歴8年の坂田風羽(龍生塾ファントム道場)が対決。体格的には来斉が勝っていたが、坂田はファントム進也会長仕込みの突き上げる右ストレートで応戦。手数も上回っていたが、2Rになると来斉もヒザ蹴りでやり返し1-0(坂田)の痛み分けに終わった。今後はふたりともプロ昇格を目指すか。
▼OP第1試合 -50kg契約 1分2R
△来斉(02GYM)
△坂田風羽(龍生塾ファントム道場)
判定0-1(19-19、19-20、19-19)
◎DEEP☆KICK 57
2021年11月28日(日)
泉大津市・テクスピア大阪
OPEN 11:30 / START 11:45
◎DEEP☆KICK 58
同日開催
OPEN 15:30 / START 15:45
〈会場アクセス〉
〒595-0025 大阪府泉大津市旭町22−45
〈チケット〉
VIP席 ¥15,000 S席 ¥8,000 A席 ¥6,000
※当日券は¥1,000UP
※一部、二部チケット別料金(全席入替制)
〈チケット販売〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
または出場選手および所属ジム
〈問い合わせ〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
https://www.deep-kick.com
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