3月23日(日)泉大津市・テクスピア大阪において『DEEP☆KICK 73』が開催された。今大会では-51kgタイトルマッチに加え-53kg/-57.5kgの王座決定トーナメント決勝戦と3階級における王座戦が開催。-51kgではKING陸斗が圧巻のTKO勝利でベルトの初防衛に成功すると-53kgでは棚澤大空が延長戦にもつれ込む激闘を制し-53kg第7代王者に、-57.5kgでは牧野騎士が3Rに3つダウンを奪いTKO勝利、-57.5kg第5代王者に輝くなど王座戦3試合ともに確かなレベルの高さとインパクトを見せつけた。
他の試合も見ごたえのあるぶつかり合いの連続、当日には全国で格闘技の大会が目白押しとなっているが、DEEP☆KICK会場は相変わらずの当日券も販売無しの超満員と大盛況を見せた。次回大会は4月29日(火・祝)豊中市・176BOXにて「DEEP☆KICK ZERO 20/21」の開催が決定している。。
(文・三野龍生/写真・石本文子)
メインイベント KING陸斗 vs 松本愛斗
3大タイトルマッチの締めとなるメインイベントは昨年9月にDEEP☆KICK-51kg第4代王者に輝いたKING陸斗(ROYAL KINGS)の初防衛戦。
プロ戦績は2戦2勝1KOと今回がプロ3戦目ながらも同級1位にランクインしている新鋭・松本愛斗(月心会チーム侍)を迎え撃った。
当カードは本来、昨年9月に王座決定戦として行われる予定だったが昨年7月のトーナメント準決勝、一樹(Reborn kickboxing gym)から勝利を収めた松本だったがその試合での怪我により9月は出場辞退、そして今回のタイトルマッチに辿り着いたという経緯があった。
奇しくも5年前である2020年3月22日にはアマチュアファイターとしてTOP☆RUNに出場し当時-50kgの王座戴冠を果たした松本と当時-30kgの王座戴冠を果たした陸斗、階級は違えど互いにアマチュア時代から知る両者が対峙する。1R、サウスポーに構える陸斗は代名詞ともいえる素早く軽やかなステップを踏みながらリングを周り、ジャブ・ローを放ちながら入りどころを伺う。対する松本はじりじりと距離を詰め得意のパンチにミドルと繰り出す。
やはり陸斗のディフェンス能力には舌を巻く、松本の鋭いパンチを臆することなく避けていく、しかし松本も止まらないアグレッシブにパンチにミドルと繰り出していく。最軽量級らしい素早い攻防が続いていく。1Rは互角か。
そして2R、試合がどう動くかと期待される中、決着は唐突に訪れた。1R同様にじりじりと圧をかけながらストレートで踏み込んでいく松本、最中、松本の右ストレートを交わし放った陸斗の左ストレートが松本を捉えるとそのまま松本は崩れ落ちていき強烈なダウンを陸斗が奪う。ダメージは甚大、確かな手ごたえに陸斗も大きくガッツポーズを見せる。
何とか立ち上がった松本だったが、陸斗はそのままパンチのラッシュで2度目のダウンを奪うとダメージを見たレフェリーが即座に試合をストップ、2R47秒、王者として確かな実力を見せつけたKING陸斗が見事初防衛に成功した。
ロープに駆け上がり客席に吠える陸斗、しかしどこか喜びより安心したような表情を覗かせた陸斗は試合後「今はホンマにホッとした気持ちが一番です」と語った。
そして今回の試合について「(松本選手は)ちっちゃい頃からアマチュアで見てて「強い選手やな、パンチうまいな」って印象がありました。実際に戦ってみても右ストレートがうまくて1Rは探り探りで「どこから入ろうかな」って見てたんですが1Rでハマらなかった、なのでセコンドの声を聞いて作戦変更したら上手いことハマったのでよかったです、ただ最初のダウンで倒れた姿見たら意識飛んでるのが見えたので「立ち上がってこないだろうな」って思ったんですが、立ち上がってきて「やっぱりこのタイトルマッチに懸けてきてるんだな」ってめちゃめちゃ気持ちを感じました」と語った。
そして次なる展望について陸斗は「やっぱりRISEで活躍したい、上のランカーの選手ならもう誰とでもやりたいですね、RISEで1番になるためにこれからもどんどん強い選手を倒していきます、そしてよければSNSのフォローしてください!」と語った。
昨年の9月の戴冠に続きベルト防衛を達成した陸斗、しかし自身の掲げる「世界一の選手」になるためにはまだまだ満足は出来ないだろう。陸斗が目指す頂きに向け、これからも突っ走っていくであろうKING陸斗に是非注目してほしい。
▼メインイベント
DEEP☆KICK-51kgタイトルマッチ 3分3R
◎KING陸斗(ROYAL KINGS)/王者
×松本愛斗(月心会チーム侍)/挑戦者
TKO 2R47秒 レフェリーストップ
※松本愛斗に2Rダウン×1有り
※KING陸斗が初防衛に成功
ダブルセミファイナル2 山田貴紀 vs 棚澤大空
2月より始まったDEEP☆KICK-53kg第7代王者を決める王座決定トーナメントの決勝戦。互いに先月の準決勝を圧巻の実力で勝ち上がってきた山田貴紀(山口道場)と棚澤大空(TEAM TEPPEN)の試合は大会前から注目度も高く、期待されていた1戦だったが内容はその期待をはるかに上回るであろう、正に至高ともいえるような激戦となる。
1R、互いにリング中央でステップを踏みながら距離を取り合うと山田は小まめにジャブを突きながらフックにテンカオ、飛び膝蹴りと攻め入る。棚澤も踏み込んでからのジャブにストレート・ローと繰り出し互いに速い攻防を繰り広げていく、1Rは互角の印象。
続く2R、互いにギアを上げたか棚澤はワンツーに左右のフックとパンチを中心に攻勢を狙うと、山田はストレートに左右の膝で攻略を狙う。互いに手は一切止めない、山田が右フックに左右の膝とヒットさせれば棚澤はストレートにフック、ローとこちらもヒットを返すなど緊張感あふれる試合展開が続いていく。2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-20でイーブン、1名が20-19で山田を支持とここでもほぼ互角の勝負に。
3R、互いに更にギアを上げると棚澤は左右のフックにストレートと速い連打で踏み込み、山田もフックに左右の膝とこちらもヒットを奪っていくなど目まぐるしい攻防が繰り広げられていく。互いに足を止めての打ち合いや、多彩な技でヒットを狙う中でやはり棚澤はパンチ連打を、山田は膝を中心に攻勢に繋げたいが優劣がつくほどの差は出ない。
3R終了のゴングまで互いに手を止めずに打ち合うも判定は0-0(30-30×2、29-29)と3者共にドローとなり試合は延長戦に突入する。
延長ラウンド、マスト判定のためこのラウンドで全てが決まる。気合を入れなおす両者、するとゴング後は山田がストレートからのテンカオを度々ヒットさせ印象を掴んだと思われたが、今度は棚澤がカウンターのストレートに左フック・ボディとこちらも立て続けにヒットさせていき延長ラウンドでも一進一退の攻防が進んでいく。
互いに近い距離での打ち合いが増えていき、その中でも左右のパンチを振るう棚澤、ストレートに膝を狙う山田と狙いは変わらない。残り時間が30秒を過ぎた頃には互いに死力を尽くした打ち合いとなっていき、それに呼応し会場のボルテージも膨れ上がり大声援が2人の背中を押す。そしてゴングが鳴る瞬間まで打ち合った両者には大きな拍手が送られ、互いにファンに向けて拳を突き上げた。
そして延長ラウンドの判定が割れると会場から「赤」「青」と大きな歓声が響き渡り、そして3人目のジャッジは棚澤を支持、ベストバウトはもちろん過去行われた王座決定戦の中でも指折りの試合となるであろう激闘となった1戦は延長判定2-1で棚澤が勝利、DEEP☆KICK-53kg第7代王者に輝いた。
名前を呼ばれるやセコンドに入っていた那須川会長と涙を流しながら抱き合った棚澤。
試合後「今回の試合の前に、おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなったってこともあって、正直不安な事が多かったんですけど、最高のベルトを獲れて、みんなの前で勝つ姿を見せれてよかったと思います」と告白した。今回の試合については「延長にいくのはセコンドからも「整えろ!」って言われてたので覚悟してました、そして延長に入った瞬間に「よっしゃ、やったろう」って、「来いよ」って、めちゃくちゃ燃えました。最後は気持ちを出すしかないと思ったし、何より勝ち負けとか倒すとかより会場をもっと盛り上げたいって気持ちが凄い強かったです、ただ延長ラウンドが終わった時におじいちゃんとおばあちゃんが見えたんで、これは勝ったなって、支えてくれたんだなって感じました。ただコールされた時は最初分からなくて、時差で「うわぁ!勝った!」みたいな気持ちになりましたね」と語った。
そして次の展望について「よく言ってるんですけど僕は相手が誰とか関係なくて、相手が誰でも自分が勝てば色んなものがついてくる、そしてベルトを獲った以上チームの皆やDEEP☆KICK、そして自分自身の価値を上げていくのは僕やと思うので、僕が皆の価値を上げていきます」と語った。
まだ17歳ながらも自分の言葉を持ち、そして実現させる力を持つ棚澤にはどこか大器の片鱗が伺える。無敗のまま王者戴冠を果たした棚澤、この無敗神話はどこまで続くのか。次戦にも是非期待してほしい。
▼ダブルセミファイナル2
DEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R
×山田貴紀(山口道場)
◯棚澤大空(TEAM TEPPEN)
判定 0-0(30-30、29-29、30-30)
延長 1-2(9-10、10-9、9-10)
※棚澤大空が-53kg第7代王者に
ダブルセミファイナル1 牧野騎士 vs 松山瞬
昨年12月より始まったDEEP☆KICK-57.5kg第5代王者を懸けた王座決定トーナメントの決勝戦、JAPAN CUP KICKスーパーバンタム級王者・RKSスーパーバンタム級王者と2本のベルト戴冠歴があり3本目のベルトを狙う牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM)と自身初のベルト戴冠を狙う松山瞬(TEAM TEPPEN)が王座を競う。互いにバックボーンは空手だが、牧野は11戦9勝2敗7KOと戦績の示す通り圧倒的なKO率をもつ倒し屋、対する松山は速いフットワークからの鋭いパンチ・蹴りを得意とするアグレッシブファイターと似て非なる選手。
果たして1R、サウスポーに構える松山は軽快にリングを周りジャブを突きながらストレート・左ミドルと繋いでいく。対する牧野は左右のローを合わせながらじりじりと圧をかけていきミドルにストレートと狙う。松山はよく相手が見えている、ジャブを軸に動きながら飛び膝・ストレートと繋げていくと牧野はやややりづらそうな印象を受ける。1Rは互角の印象。
続く2R、牧野はプレッシャーを強め前に出ると左右の蹴りに右ストレート・フックと繋げる。松山はステップを踏みながらリングを周ると右フックに左ストレート、ボディと返していく。終始圧をかけ続けて攻勢を狙っているのは牧野だが松山はタイミングよく攻撃を繰り出していき牧野の出鼻をくじいていく。しかし互いにこれといった印象はなく2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-20でイーブンと互角の勝負となる。
運命の3R、互いにここで勝負に出ると予想されたが試合は早々に佳境を迎える。最終ラウンドのゴングが鳴ると早くもプレッシャーをかけていく牧野、そして3R15秒、松山をコーナーに詰めたところで強烈な右ストレートをクリーンヒットさせると松山は仰向けになりダウン、確かな感触があっただろう牧野は大声で吠える。
立ち上がる松山だがダメージは明白、牧野はすぐに距離を詰めパンチラッシュを仕掛けると左フックで続けざまに2度目のダウンを奪う。
ダメージは明らかだがベルトへの執念か、それでも立ち上がり打ち合いに踏み込む松山。しかし牧野は好機を逃さず、最後は右フックで3度目のダウンを奪いレフェリーストップ、3R59秒、3R早々から怒涛の3ダウンを奪った牧野がTKO勝利を飾り、DEEP☆KICK-57.5kg第5代王者のベルトを殴り取った。
リング上で吠えながら感情を爆発させた牧野は試合後、自身3本目となるベルト奪取について「57.5kgでは初めてのベルトなのでより一層、獲りたいって気持ちはありました」と明かすと今回の試合について「2Rまでは正直やりづらさがありました、けど3R最初のダウンを獲った瞬間にかなり手ごたえがあったので正直「終わった!」って思ってめっちゃ叫んだんですけど、立ってきて正直驚きました。2発目のダウンの時も立ってきたので「マジか」って、その後もいいのが入ったのに倒れなくて、本当に松山選手凄いなって、気持ちが伝わるなって感じました。なので最後倒した時もやっと倒れてくれたって感じでした」と語った。
そして次の展望について「今はどうしてもSNSだったりエンタメだったりってカードが色んな大会であると思うんですけど、僕のジムの代表(原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM))が強さで成り上がって世界に挑戦しているのを見てやっぱり憧れるんで、実力で一歩ずつ登って行こうって思います、最後にInstagramのフォローお願いします!」と語った。
これで3本目のベルト戴冠とキックボクシング界で確かな実力と存在感を放っている牧野、彼の次のステージはどこか。更なる大舞台で暴れまわる牧野の姿に期待大だ。
▼ダブルセミファイナル1
DEEP☆KICK-57.5kg 王座決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R
◎牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM)
×松山瞬(TEAM TEPPEN)
TKO 3R59秒 レフェリーストップ
※松山瞬に3Rダウン×2有り
※牧野騎士が-57.5kg第5代王者に
第6試合 KING弥百希 vs 本野有哉
DEEP☆KICK-70kg第4代王者である稲井良弥(TARGET)が返上したベルトを懸けた王座決定戦への椅子を掛けたぶつかり合い。互いにプロ戦績3戦3勝2KOと負けなしでどんどんと上に上り詰めているKING弥百希(ROYAL KINGS)と本野有哉(照道会)が激突。
試合は1Rから重量級だけあって迫力満点、本野が左右のローを当てながらストレートに繋げると、サウスポーに構える弥百希は前手で距離を測りながら左ストレートで一気に飛び込んでいく。中で弥百希はツーフックをヒットさせれば本野はボディにストレートと返していく。
2Rも本野がワンツー連打をヒットさせ流れを呼び込んだかと思ったら弥百希が左ストレートの連打を叩きこみ流れを掴み取るなど一進一退のシーソーゲームが続いていく。威力あるパンチの打ち合いが続くもラウンド後半になると組付きやバッティングが増えていき試合が荒れていく、2R終了時点でのオープンスコアは2名がイーブン(20-20、19-19)、1名が20-19で本野を支持する。
3R、ここを獲りたい弥百希は左ストレートを軸にどんどんと攻め入る。対する本野は冷静、左右のローで削りながら距離をつぶし膝にストレートと返していく。弥百希は止まらずに威力のあるパンチを振るっていくが、本野は細かくパンチを当てていき弥百希の左ストレートに合わせて距離をつぶしていく。弥百希は距離をつぶされ明らかに嫌そうな表情を浮かべ、そのまま左ストレートでなんとか押し切りたい気持ちも見えたがやや大振りな印象を受ける。
その後も本野はカウンターのストレートやワンツーなどヒットを稼ぎながら着々と試合を進めていき試合終了。3Rの本野の優勢が支持され判定は3-0、本野が王座決定戦への進出を勝ち取った。
試合後、マイクを持った本野は「僕は香川県にある照道会という小さな空手道場から大きな舞台のチャンピオンになるので、引き続き応援お願いします」と放つと、王座決定戦で待ち構える同級1位の龍威地(NJKF ARENA)がリングイン、マイクを持つと「凄くいい試合でした、でも次の決勝は判定ではなく、やるかやられるかのDEEP☆KICKに相応しい試合をして、どっちがチャンピオンか決めましょう」とアピールした。
DEEP☆KICK-70kg第5代王者を決める王座決定戦は5月18日、徳島県にて2度目の開催となる地方大会「DEEP☆KICK TOKUSHIMA2」で行われる。KO決着必至のやるかやられるかの試合を楽しみにしてほしい。
▼第6試合 DEEP☆KICK-70kg王座決定戦準決勝 3分3R 延長1R
×KING弥百希(ROYAL KINGS)
◯本野有哉(照道会)
判定 0-3(29-30、28-29、28-30)
※本野有哉がトーナメント決勝に進出
第5試合 井上大和 vs 駿希
2月より開催されているDEEP☆KICK-55kg王座決定トーナメント準決勝の1ブロック、同級3位で回転の速いパンチ・蹴りを武器に攻勢に出る井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)と同級4位でプロ戦績4戦4勝3KOを誇り全試合でダウンを奪い勝利を収めている駿希(BKジム)の上位ランカー通しのぶつかり合いは正に起死回生の1発を奪った駿希に軍配が上がった。
試合は1R、互いに中間距離で見合い合ながらジャブにローで刺しあう緊張感のある展開に。そこから井上は膝にハイ、ストレート、駿希は右のパンチに繋いでいくがこれといった差はなく1Rは互角の印象。
続く2R、勝負が動く。ワンツーに左フック・カーフと攻め手を増やしてきた駿希、対する井上は鋭いジャブを中心に放ちながら駿希のパンチをステップで外し、ジャブ・ストレートからの速いコンビネーションをヒットさせていく。ラウンド中盤には明らかに駿希がパンチを嫌がった場面もあり2Rは井上がヒット・ダメージ共に上回った印象、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-19で井上を支持。
3R、後がない駿希は逆転を狙い自慢のパンチを振るっていく、しかしどこか大振りが目立つ。井上はこのラウンドでも冷静、着実にパンチを避けながらジャブ・ワンツーとヒットを稼いでいく。
その展開は変わることなく残り時間1分のコールが鳴る、井上の上手さが際立った試合だと思った矢先のこと、駿希のストレートからの左フックが井上を捉えると井上はそのまま倒れこみ駿希が3R残り1分で逆転となるダウンを奪う。
ダメージは軽いか、すぐに立ちあがった井上は反撃を狙い猛攻を仕掛けるも残り時間の少なさも相まり倒し返すことは出来ず試合終了。3Rにダウンを奪った駿希が逆転勝利を収めた。
試合後、駿希はリング上でマイクを持つと「決勝に行くことは出来ましたが、このままじゃ決勝の相手に勝つことは難しいと思うので練習して強くなるので、また応援お願いします」と語ると、2月もう1つの準決勝を勝ち抜き一足先に決勝への進出を決めていた保井広輝(LoTgym)もリングイン、マイクを持つと「トーナメントのメンバーが決まった時から(駿希と)絶対やりたいと思ってたので、決勝で当たれて嬉しいです。でも勝つのは僕です」と宣言した。
両者で競われるDEEP☆KICK-55kg王座決定トーナメントの決勝戦は6月22日に開催予定のDEEP☆KICK 74で行われる。果たして6月、ベルトを腰に巻き勝ち名乗りを上げるのは果たしてどちらか、バチバチの打ち合いに是非期待してほしい。
▼第5試合 DEEP☆KICK-55kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
×井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)
◯駿希(BKジム)
判定 0-3(28-29、28-29、28-29)
※井上大和に3Rダウン×1有り
※駿希がトーナメント決勝に進出
第4試合 嘉武士 vs 細濱辰
DEEP☆KICK-57.5kgの1戦、当日行われたDEEP☆KICK-57.5kg王座決定トーナメントに出場を果たすも王者となった牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM)に延長戦でTKO負け、今回が復帰戦となる同級3位の嘉武士(NJKF健心塾)と、HOOST CUPを主戦場にプロ戦績3戦2勝1分1KOと負けなしを誇る期待の新鋭・細濱辰(TEAM MMK)が対峙。
試合は1Rから左の蹴りを織り交ぜながら左フックにジャブ・ボディ、奥足へのローとアグレッシブに攻める細濱とじわじわ圧をかけながら入ってきたところにストレートに膝、ミドル・前蹴りと合わせる嘉武士という展開に。中でも細濱は左フック、嘉武士は膝を軸にヒットを重ねている印象。
2R、細濱はボディへのパンチを増やしながら左フックにストレートと攻め入る、嘉武士は変わらず圧をかけながら左右の膝にショートパンチでヒットを稼いでいく。このラウンドでも互いにヒットを稼ぐがこれといった差が出ないか、2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-19でイーブン、1名が20-19で嘉武士を支持する。
3R、このラウンドで勝負が決まるだけあり互いにゴングと同時に前に押し出ていく。中でやはり細濱はパンチ、嘉武士は膝と互いにここまでヒットを稼いできた技を中心に攻め入るが、互いに前に前にという気持ちが出すぎたこともあり、スタミナ切れも相まってか組付きの展開も増えていく。
それでも手は止めない両者、何とかここで優位を示したかったが判定は1-1でスプリットドロー、痛み分けとなり互いに勝利は次に持ち越しとなった。
▼第4試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R
△嘉武士(NJKF健心塾)
△細濱辰(TEAM MMK)
判定 1-1(30-29、29-29、28-29)
第3試合 龍太郎 vs 岸佑樹
同級3位、次の王座挑戦を虎視眈々と狙っている龍太郎(VALIENTE)と上位ランカーを狙う同級5位の岸佑樹(NJKF健心塾)のDEEP☆KICK-51kgランキング戦。身長差は11cm岸が上とリーチ差は明らかだが、それ埋めるがごとく龍太郎は持ち前の回転力を活かした速いパンチを軸に開始から果敢に攻め入る。岸はローで様子を見ながら龍太郎の踏み込みにストレートを狙っていくが龍太郎はお構いなしに速いステップからのジャブ・左フックからのコンビネーションと繰り出していく。
最中、岸をコーナーに詰めると龍太郎はパンチラッシュを浴びせていきファーストダウンを奪う。
すぐに立ちあがった岸だったが龍太郎はすぐに距離を詰めると再びのパンチ連打、岸もそれに応じ打ち合いにもつれ込むと中で龍太郎の左フックが岸を捉え2度目のダウン奪取。
2度目のダメージは明らかか、何とか立ち上がった岸だったが、龍太郎はここを逃すまいと歩を強めていき最後はカウンターの右ストレートで3度目のダウン奪取、1R2分30秒、スリーノックダウンで龍太郎が1RTKO勝利を勝ち取った。
勝利が決まった瞬間に雄叫びを上げセコンドと抱き合った龍太郎、次なる王座挑戦に向けてアピールもバッチリ、龍太郎の次戦にも期待だ。
▼第3試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R
◎龍太郎(VALIENTE)
×岸佑樹(NJKF健心塾)
TKO 1R2分30秒 レフェリーストップ
※岸佑樹に1Rダウン×2有り
第2試合 田中恒星 vs 丹孔志狼
DEEP☆KICK-55kg契約の1戦ではRKSバンタム級王者戴冠歴のある田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)とプロ2勝目を狙う丹孔志狼(NJKF心将塾)が激突。プロ戦績では田中が9戦6勝3敗3KO、丹が3戦1勝2敗と戦績には開きがあるも丹は序盤から左右の蹴りと左フックを軸に冷静な対応を見せる。田中はパンチでの入りどころを探りながらストレートにフックと繋いでいく。
ここからの試合展開に期待が高まっていた1R1分を過ぎた頃、丹が田中の偶発的なローブローを被弾。回復を待ったがレフェリー・ドクターが試合続行不可能と判断し、1R途中のアクシデントということもあり試合はノーコンテストとなった。
▼第2試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
-田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)
-丹孔志狼(NJKF心将塾)
ノーコンテスト
※1R1分5秒に丹孔志狼が田中恒星の偶発的なローブローを被弾、回復をまったが続行不可能とレフェリー・ドクターが判断、1R途中に起きたアクシデントのため当試合をノーコンテストとする
第1試合 根本日向 vs 林功太郎
今回がプロ2戦目で初勝利を狙う根本日向(TEAM LIGHT)とプロデビュー戦となる林功太郎(山口道場)の1戦は最軽量級の-51kgらしいスピード感あふれる打ち合いに。1R、リング中央に陣取りパンチを主体に圧をかける根本とリングを周りながら速い出入りにカーフを合わせる林といった構図となる。
2Rになると林は細かいパンチにカーフキック、根本は左右のローで下を削りながら入り際に左フック・ストレートと狙っていく。互いにヒットを稼ぎ気持ちも強いがバッティングやローブローなど度々アクシデントが起きやや気負いもある印象。2R終了時点でのオープンスコアは2名がドロー(20-20、19-19)、1名が20-19で根本を支持とほぼ互角。
運命の3R、ゴングからワンツーにローとどんどん前に打ち出る根本、林も負けじとカーフを交えながらパンチの打ち合いに応じていく。残り1分を切ると林がもっと打ってこいとアピールし、これに根本が笑顔をこぼしながらパンチで踏み込むという互いに気持ちと気持ちのぶつかり合いとなる。
すると林のカウンターのストレート・左フックが度々ヒットしていきカーフのダメージも相まって林の攻勢が目立っていく、根本も何とか状況を変えたかったがここでゴング。判定は3R終盤に攻勢を見せた林が2-0で判定勝利、嬉しいプロ初勝利を飾った。
▼第1試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R
×根本日向(TEAM LIGHT)
◯林功太郎(山口道場)
判定 0-2(29-30、29-29、28-29)
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
OPイベント、アマチュアファイトでは計5試合が開催。中でもOP第3試合で行われた黒岩理沙(ROYAL KINGS)と鍵山撞生樂(ツクモジム)戦では黒岩が強烈な膝でファースタダウンを奪うと続けざまにパンチラッシュからの膝でレフェリーストップを勝ち取り黒岩が1R45秒TKO勝利を飾った。
またOP第5試合、勝部晴大(VALIENTE) vs 井端刻也(NJKF健心塾)の1戦はプロ顔負けのハイレベルな試合に。中でも2R、勝部は左ストレートと左ミドル・ハイを武器に圧巻の攻めを見せる、井端も距離を詰めていき反撃を狙ったが一歩及ばず、2Rを優勢に勝ち取った勝部が判定勝利を収めた。
OP第5試合 勝部晴大 vs 井端刻也
▼OP第5試合 -55kg契約 1分30秒2R
◯勝部晴大(VALIENTE)
×井端刻也(NJKF健心塾)
判定 3-0(20-19、20-19、20-19)
OP第4試合 木原彩人 vs 山口嵐
▼OP第4試合 -47kg契約 1分30秒2R
×木原彩人(02GYM)
◯山口嵐(パラエストラ大阪)
判定 0-3(19-20、19-20、19-20)
OP第3試合 黒岩理沙 vs 鍵山撞生樂
▼OP第3試合 -42kg契約 1分30秒2R
◎黒岩理沙(ROYAL KINGS)
×鍵山撞生樂(ツクモジム)
TKO 1R45秒 レフェリーストップ
※鍵山撞生樂に1Rダウン×1有り
OP第2試合 中島蒼 vs 池本常次郎
▼OP第2試合 -27kg契約 1分30秒2R
◯中島蒼(TeamFIST)
×池本常次郎(山口道場)
判定 2-1(20-19、19-20、20-19)
OP第1試合 松比良賢司 vs 竹腰瑛留
▼OP第1試合 -31kg契約 1分2R
×松比良賢司(HAMA・GYM)
◯竹腰瑛留(KING LEO)
判定 0-3(18-20、18-20、18-20)
DEEP☆KICK 73
2025年3月23日(日)
泉大津市・テクスピア大阪
OPEN 12:00 / START 12:15
〈会場アクセス〉
〒595-0025 大阪府泉大津市旭町22-45
〈チケット〉
-全席完売-
※当日券の販売もございません
〈チケット販売〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
または出場選手および所属ジム
〈問い合わせ〉
DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)
https://www.deep-kick.com
0コメント