11.16 豊中 DEEP☆KICK ZERO 24 試合結果

 11月16日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第1部『DEEP☆KICK ZERO 24』が行われた。するとオープニングイベント・アマチュアファイトからKO決着が生まれ大会に火をつけると、プロ本戦では第2試合~メインイベントまでの5試合全てがKO決着という波乱と激闘の連続となり、次のステージを目指すファイター達が自分の強みを存分に生かしチャンスを求めアピールした。


(文・三野龍生/写真・石本文子)



メインイベント 井上大和 vs 山﨑天輔


 メインイベントを飾るのはDEEP☆KICK-55kg第9代王者である保井広輝(LoTgym)への挑戦権を懸けたトーナメント準決勝。同級2位の井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)と同級6位の山﨑天輔(VALIENTE)が向かい合う。井上は今回が3度目のトーナメント出場もまだトーナメントで勝ち星がなく、それもあってか「次こそは」という思いが表情からも伺える。

対する山﨑は今回が初のトーナメント出場も2024年は3戦3勝、前戦では逆ブロックの虎太朗(キックボクシングジム3K)に判定負けも勢いにのっているファイターだ。

 パンフレットでは井上が169cmに対し山﨑は177cmと8cmの身長差となっているが向かい合う両者を見るとそれ以上にも感じる。果たして1R、山﨑はリング中央に陣取ると左ミドルに前蹴りで圧をかける。対する井上は細かく動きながら踏み込んでのジャブにワンツー・左フックでヒットを奪っていくと、流れで右ハイキックを数発ヒットさせ会場からどよめきを起こす。

まるで「身長差なんて関係ない」と言わんばかりだ、そのまま井上の攻勢は続いていき、山﨑も左ミドルに打ち下ろしのストレートなどで対処するも1Rはヒットに差が出た印象。

 続く2R、勝負は一気に動く。1R同様にワンツーなど真っすぐのパンチを軸に攻める井上、山﨑はテンカオで応戦しようとするが井上のパンチの回転は速い、山﨑はコーナーに追い詰められパンチ連打を浴びていくシーンが増えていく。

そして勢いに乗る井上はどんどんとパンチの回転を上げていくと、そのことごとくが山﨑を捉えていく。山﨑もトーナメントに懸ける思いも強いだろう、なんとか意地と根性でラッシュを耐え忍んでいたが遂に限界を迎えダウン、井上がパンチ連打でファーストダウンを奪う。

なんとか立ち上がる山﨑だはダメージは明らか、そこに井上は追撃の右ストレートで2度目のダウンを奪うと山﨑のダメージを見たレフェリーが試合をストップし2R2分44秒、井上がプロキャリア初となるKO勝利奪取でトーナメント決勝進出を決めた。

 自身初のKO勝利に涙を流しながらセコンドと抱き合った井上。

すると先にセミファイナルの準決勝でこちらもKO勝利で決勝進出を決めた田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)がリングイン。マイクを握ると「(井上選手は)めちゃくちゃ強いので上がってくるだろうなと思ってました。でも3年前に自分の先輩の騎士君(牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM))とやってて騎士君が勝ってるので、大好きな先輩に追いつくって意味でもここはしっかり勝ってタイトルマッチまで行きます」と堂々宣言、

対する井上はマイクを握ると「ずっと(試合で)倒すってことが出来なくて悔しかったんですけど、今日倒して勝てたので嬉しいです。次の田中選手も凄い強い選手なので、これからもっと努力して勝てるように頑張ります」と謙虚ながらも勝ちを狙う姿勢をファンに見せつけた。


 果たして次の決勝戦を勝ち抜いて王者・保井への挑戦権を手にするのはどちらだ。両者は来年1月、176BOXで開催予定の「DEEP☆KICK ZERO 26」にてDEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント決勝で激突する。


▼メインイベント

 DEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R

 ◎井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM)

 ×山﨑天輔(VALIENTE)

TKO 2R2分44秒 レフェリーストップ

※山﨑天輔に2Rダウン×1有り

※井上大和がトーナメント決勝に進出


セミファイナル 虎太朗 vs 田中恒星


 メインに続きDEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント準決勝が開催、同級5位の虎太朗(キックボクシングジム3K)と同級7位の田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)が激突した。虎太朗はプロ戦績は7戦3勝3敗1分、冷静沈着なスタイルとビックマウスで存在感をアピール、4月には逆ブロックの山﨑天輔(VALIENTE)を下しランキング入り、今回初のトーナメント出場となる。

対する田中は元RKSバンタム級王者とベルト戴冠歴があり、決め所を逃さないアグレッシブな攻めが魅力的な倒し屋ファイターだ。

 互いにDEEP☆KICKトーナメントは初出場、虎太朗が制圧するか田中が倒すかという試合展開が予想されたが試合は静かな立ち上がりを迎える。1R、田中はリング中央に陣取りカーフキックを蹴りながらタイミングを見計らう。対する虎太朗はリングを周りながら田中が入ってきたところにストレート、カーフと合わせるも互いにこれといった1発はなく、静かにタイミングを計り合い第1Rは終了。

 すると続く2Rは1Rの静けさを忘れてしまうような激戦に突入する。ゴング後、互いに1Rに比べ少し近い距離での攻防から始まると、静寂を切り裂くかの如く放たれた田中の右ストレートが虎太朗を捉えそのままダウン、田中がファーストダウンを奪う。

すると再開後、前に踏み込んでくる田中に今度は虎太朗が放った左フックがクリーンヒットすると今度は田中がダウン、虎太朗がすぐさまにダウンを奪い返すシーソーゲームとなる。

会場は驚きと興奮の声で埋め尽くされボルテージは一気に最高潮。それに呼応するかの如く、このチャンスを逃しまいと互いがパンチで激しく打ち合っていくと、最中で再び田中の右ストレートが虎太朗にヒットするとそのまま虎太朗は後ろに倒れこみ2度目のダウン、立ち上がろうとする虎太朗だったがダメージを見たレフェリーが続行不可能と判断しTKO。

2R2分1秒、ダウンの応酬となった激戦を田中がTKOで制し、トーナメント決勝進出を一足先に決めた。


▼セミファイナル

 DEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R

 ×虎太朗(キックボクシングジム3K)

 ◎田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)

TKO 2R2分1秒 レフェリーストップ

※虎太朗に2Rダウン×2有り

※田中恒星に2Rダウン×1有り

※田中恒星がトーナメント決勝に進出


RIZIN LANDMARK 12 in KOBE 勝利選手マイク


 セミファイナル前には先日、11月3日「RIZIN LANDMARK 12 in KOBE」に出場し勝利を収めた2選手として、その日がプロデビュー戦でありダウンを奪い判定勝利を収めたDEEP☆KICKラウンドガールでもある伊藤菜の花(VALIENTE)、1Rに3度のダウンを奪い圧巻の1RTKO勝利を飾ったDEEP☆KICK-51kg第4代王者・KING陸斗(ROYAL KINGS)がリングイン。それぞれがマイクを握った。

▽伊藤菜の花

「自分がRIZINのような舞台に立ててホンマに嬉しいです。この後、メインイベントで天輔(山﨑天輔(VALIENTE))が試合するので応援お願いします、あとお兄ちゃん(伊藤千飛(真正ジム))も大きい舞台が決まるかもなので、そちらも応援お願いします」

▽KING陸斗

「1RKOで勝ててホンマに良かったです。これからもっともっと強くなって格闘技界の顔になるんで、ここからも注目と応援よろしくお願いします」



第4試合 細濱辰 vs 堀井海飛


 今大会である『DEEP☆KICK ZERO 24』、そして同日開催の第2部『DEEP☆KICK ZERO 25』ではDEEP☆KICK-57.5kg契約の試合が3試合が開催。ランキング戦はもちろん、先のトーナメント開催を見据えてという理由もあるだろう。そんな当階級の1戦として同級3位の細濱辰(TEAM MMK)とKrush・K-1を主戦場に戦うK-1ファイター・堀井海飛(空手道柔拳)が対戦。細濱は前トーナメントでプロ初敗北を喫し今回が復帰戦、対する堀井は現在2連勝中と勢いにのっており今回がDEEP☆KICK初参戦となる。

 試合は1R、細濱がジャブにストレートと繰り出せば堀井はスイッチしながらストレートにフックと返すなど、お互いにパンチが鋭く早い。コンビネーションも互いにうまく、緊張感のある試合展開となっていく。最中、細濱がローブローを被弾するアクシデントはあるも、これといった差がなく第1Rは終了。

コーナーに戻る堀井の頭部からは、細濱の有効打により出血が見られた。

 すると2R、開始早々に堀井はドクターチェックが行われる。再開後、再び速い攻防が繰り広げられていくも細濱が再びローブローを被弾。長く休憩が取られるも再開後に三度のローブローを細濱が被弾してしまい、堀井に減点1が与えられてしまう。

そしてその間も堀井の出血が見られ、再開後、今度は堀井にドクターチェックとタイムストップが連続してしまう。そんな中でも集中は切らない両者、再開後は堀井はガードを固めながら近距離に踏み込めば、細濱も負けじと近距離での攻防を受け入れ互いのパンチが交差していく。

しかし堀井の出血は中々止まらず、何とか第2R終了となったが3Rが始まりすぐにレフェリー・ドクターが続行不可能と判断し試合終了。

ドクターストップによるTKOで3R2秒、アクシデントが多く起こった中でも最後まで集中を切らさずに戦いきった細濱が復帰戦をTKO勝利で飾った。


▼第4試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R

 ◎細濱辰(TEAM MMK)

 ×堀井海飛(空手道柔拳)

TKO 3R2秒 ドクターストップ

※堀井海飛に「ローブロー」×3で減点1


第3試合 西尾仁徳 vs 善家智哉


 互いに6月に勝利を収めた者同士、西尾仁徳(拳心會館)と第2代AJKNスーパーバンタム級王者の善家智哉(FORWARD GYM)の1戦は早々の決着劇となる。

1R、ロー・ミドルで序盤は様子を見る西尾に対しサウスポーの善家はミドル・ワンツーで静かに距離を測ると、最中に放たれた左ストレートがクリーンヒット、西尾はその場に崩れこみ善家がファーストダウンを奪う。

そして再開後、善家は一気に圧を強めていくと、再びの左ストレートを1・2・3と連続でヒットさせ西尾がダウンした所でレフェリーが試合をストップ。

1R1分20秒、強力な左ストレートを武器に確かな実力を見せた善家が1RTKO勝利を勝ち取った。


▼第3試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R

 ×西尾仁徳(拳心會館)

 ◎善家智哉(FORWARD GYM)

TKO 1R1分20秒 レフェリーストップ

※西尾仁徳に1Rダウン×1有り


第2試合 加古稟虎 vs イ・ウジン


 DEEP☆KICK-65kg契約の日韓戦。プロデビューから2連勝もその後3連敗とここで再起を狙いたい加古稟虎(teamBonds)と韓国の名門・RAON GYMより日本でプロデビュー戦を迎えることとなったイ・ウジン(RAON GYM)が激突。

試合は1R、サウスポーに構えるウジンに対し加古はタイミングを計りながらローに三日月と右の蹴りを走らせる。ウジンも左ハイにローと放つが手数は少ない。

そんな中、加古がローブローを被弾し休憩が取られると再開直後、加古が繰り出した右ハイキックがウジンを捉え、その勢いのままにウジンは倒れこみダウン、加古がファーストダウンを奪う。

そこから加古は圧を強めコツコツと蹴りをまとめていき確実にヒットを稼ぎながらダメージを与えていく、対するウジンは防戦一方となってしまう。

 続く2R、ここで巻き返しを狙いたいウジン。しかし加古は開始早々からウジンをコーナーに詰め威力の見えるボディ連打にワンツーと繰り出し反撃の目を与えない。ウジンもミドルにストレートと放つが中々ヒットが奪えないか、最中ストレートからのツーフックで加古が1Rに続き2度目のダウン奪取。

ダメージは明らか、立ち上がったウジンだったが加古は圧巻のパンチラッシュでウジンを貼り付けにするとセコンドからタオルが投入され試合終了。

2R1分53秒、2度のダウンを奪うなど圧巻の実力を見せた加古がTKO勝利を収め、これで連敗もストップ。ここから再びの連勝街道突入となるか。


▼第2試合 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R

 ◎加古稟虎(teamBonds)

 ×イ・ウジン(RAON GYM)

TKO 2R1分53秒  セコンドタオル投入

※イ・ウジンに1Rダウン×1、2Rダウン×1有り


第1試合 山口丈瑠 vs 小堀厳基


 結果的にこの第1試合は今大会唯一のKO決着とはならなかった試合だが、山口丈瑠(パラエストラ森ノ宮)と小堀厳基(月心会チーム侍)のDEEP☆KICK-60kg契約の1戦は互いに「倒してやる」というオーラがぶつかり合う好ゲームとなる。

試合は1Rから互いにカーフを放ちながらミドルにワンツー・膝とヒットを奪い、そして許すという攻防となり、1つのヒットの度に会場からも歓声が響くほど威力が見える技が交差していく。

続く2Rには互いに足・腹・顔それぞれが効いているようにも見える。中で山口はカーフ、小堀は左の膝が特に目立つもここでも差は出ない印象、2R終了時点でのオープンスコアは0-1(小堀)となる。

 最終ラウンド、ここで勝負が決まるだけあって互いに開始早々からギアを上げて打ち合う。中で山口は左フックに膝、小堀は右フックに膝と最後まで「倒して勝つ」という気持ちが伝わる一撃が繰り出されていく。そしてそのままゴング終了まで打ち合った両者だったがここでも明確な差を出すことが出来ず、判定は1-1とスプリットドローとなった。

しかし互いに実力はもちろん、気持ちの強さも存分に見せつけ、次の1戦にも期待したい、そう思える1戦だった。


▼第1試合 DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R

 △山口丈瑠(パラエストラ森ノ宮)

 △小堀厳基(月心会チーム侍)

判定 1-1(30-29、29-29、29-30)


〈オープニングイベント〉

NEXT☆LEVEL提供試合

 OPイベント、アマチュアファイトでは4戦が開催。中でもOP第2試合、森透志(SGKジム) vs 福吉煌世(VALIENTE)の1戦では、-70kg契約とも会って威力抜群のパンチが交差していくと初めに福吉がカウンターのストレートで森が効いたそぶりが見えると、今度は打ち合いの中で放たれた森の右フックが福吉にヒットするとそのままその場に崩れ落ちインパクト大のダウンを森が奪い、福吉はそのまま立ち上がることが出来ずTKO、森がヘッドギア有の1戦で1R37秒の一撃KO勝利を奪った。


OP第4試合 藤原あこ vs 阪上星愛來

▼OP第4試合 -41kg契約 1分30秒2R

 ×藤原あこ(ROYAL KINGS)

 ○阪上星愛來(VALIENTE)

判定 0-3(19-20、19-20、19-20)


OP第3試合 中西夕月羽 vs 三谷那瑠

▼OP第3試合 -36kg契約 1分30秒2R

 △中西夕月羽(ROYAL KINGS)

 △三谷那瑠(健心塾 平野支部)

判定 0-0(19-19、20-20、19-19)


OP第2試合 森透志 vs 福吉煌世

▼OP第2試合 -70kg契約 1分2R

 ◎森透志(SGKジム)

 ×福吉煌世(VALIENTE)

TKO 1R37秒 レフェリーストップ

※福吉煌世に1Rダウン×1有り


OP第1試合 植邨善 vs 新井羽琉斗

▼OP第1試合 -30kg契約 1分30秒2R

 ○植邨善(02GYM)

 ×新井羽琉斗(FORWARD GYM)

判定 3-0(20-19、20-18、20-19)


◎DEEP☆KICK ZERO 24

2025年11月16日(日)
豊中市・176BOX
OPEN 10:50 / START 11:00

◎DEEP☆KICK ZERO 25

同日開催
OPEN 14:50 / START 15:00


〈会場アクセス〉

〒561-0831

大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25

電話:06-7898-0888


〈チケット〉

VIP席(指定席) ¥15,000

S席(指定席) ¥8,000

A席(指定席) ¥6,000

スタンディング ¥5,000

※当日券は¥1,000UP

※一部、二部チケット別料金(全席入替制)


〈チケット販売〉

DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)

または出場選手および所属ジム


〈問い合わせ〉

DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)

https://www.deep-kick.com

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DEEP☆KICK

"DEEP KICK" The kickboxing field of the MMA fight event "DEEP" Started on July 5, 2009